【書籍 おすすめ】定年後 ~50歳からの生き方、終わり方~
こんにちは nyo-gult(飲むヨーグルト)です。
今回紹介する本は「定年後 ~50歳から生き方、終わり方」です。
著者の紹介
楠木 新
■なぜこの本を読んだか?
会社員であれば誰もが定年を迎えます。
定年後の世界は、どのような世界なのか?リアルな感覚で捉えておきたいと思い本書を手に取りました。
本書は、7章から構成されています。
- プロローグ
- 第1章 全員が合格点
- 第2章 イキイキした人は2割未満?
- 第3章 亭主元気で留守がいい?
- 第4章 「黄金の15年」を輝かせるために
- 第5章 社会とどうつながるか
- 第6章 居場所を探す
- 第7章 「死」から逆算してみる
個人的に注目したポイントを紹介します。
目
ポイント①:プロローグ 人生は後半戦が勝負
著者が47歳の時に仕事に行き詰まり長期休職をした時期があると語っています。
その長期休職中にとった行動は以下のパターン。
①書店
②図書館
③スーパー銭湯
④テレビを見る
と言う定型パターンで日々を過ごす。
また転職を考えようとハローワークに行き職を探しても
魅力のある求人が見つからない・・・。
そこで気づかされます。
個人の主体性の発揮は、会社と言う組織に身をおいているからこそできることなのだと・・・
そのことを踏まえて、長期休職期間を「定年後の予行演習」と位置づけ、著者は50歳から出筆活動を始めるきっかを得ます。
著者が定年退職された方の取材をし知見をもとに、定年後の生き方をどうすべきか?・・・そんなプロローグで話は始まります。
ポイント②:第1章 全員が合格点
隠居と定年の相違点
定年制度は、企業と雇用関係にある従業員との間で取り交わせる契約であり制度として多くの方に認知されていることでしょう。
60歳定年→継続雇用制度による65歳まで働くことができる。
その後、働くことができなくなるわけです。
ここで著者が「隠居」と「定年」の相違点の中で「隠居」について
の考え方に触れています。
※「隠居」は、辞書を見ると、「仕事や生計の責任者であることをやめ、好きなことをして暮らすこと(人)」とある(三省堂『新明解国語辞典』)
引用元:「定年後」P16
民法旧規定の隠居にともなう家督相続の考え方でも年齢60歳を以上と決められています。
ここで定年は、本人の働きたい意思に関係なく仕事を辞めなければならないのですが、隠居と言う考え方であれば自分の意思で仕事を辞めることができます。
定年時点の理想として、主体的に意思決定できる状態にしておくことが大切であると思います。
これからの時代は先を見通すことが難しい時代ですが、多くの情報に触れ、ひとつでも多くの生きがいを手にいれ60歳を向かる・・・
生きがいを持てれば定年後の生き方も変わってくるのかもしれません。
ポイント③:第2章 イキイキした人は2割未満?
この章では、定年を迎えた方の日々の生活行動を詳細に捉えています。
定年後の半年間は、会社勤めから解放され悠々自適の生活で満足を得ますが、その後はテレビを見る生活だけになり半年ほど経つと立ち上がれなくなり引きこもり生活になりがちになったりします。
また、曜日の感覚がなくなったり昼夜逆転する生活になったりと不規則な生活を送る方が増えるそうです。
また、興味深い調査結果として「パーソントリップ調査」(東京都市圏計画協議会、2008年実施調査)は、
①どのような人が
②いつ
③どのような目的で、交通手段で
④「どこからどこへ」移動したか
について、幅広い調査をして1日の動きを捉えた調査は、興味深いデータでした。
現役世代20歳~60歳、継続雇用制度が対象の60歳~65歳、65歳以上の年齢区分と男性・女性で比較したデータがあります。
特に60代以降のデータに特徴があり、その傾向を踏まえ定年後の生活をどのようにしていくべきか?
参考になると思います。
ぜひ読んでいただきたい調査内容です。
定年退職者の訪問する場所として「図書館」、「公民館」、「喫茶店」、「スポーツクラブ」などが挙げられますが、そこにコミュニティー機能を充実させることで人と人とのつながりでき日々の暮らしが充実するのではないかと思っています。
この章では、定年退職者で元気な人は1割5分と言う衝撃な内容ですが、その要因がどこにあるのか?
著者の実体験レポートを読むことで、その要因がわかります。
逆に言うと8割5分の人は、日々の生活に充実しているわけではなく、なんらかの不満や孤独、生きがいがなく生活していると言えます。
それが60歳~80歳まで続くのですから、この20年間を充実させていくためにはどうすべきか?
考えさせられる内容でした。
ポイント④:第5章 社会とどうつながるか
社会と間接につながる
この章では、社会とのつながりをテーマに話が展開していきます。
そこで興味深かったのは、社会とのつながり方です。
会社員である場合は、直接に社会とは繋がっておらず「間接的につながっている」と言う事です。
具体的は、電話を掛けたり、書類を作ったり、会議があったりと各仕事のパート(部分)を担うことで労働対価として給料を得ます。
会社組織における役割を長年続けているとどうなるか?
社外に目が向かず視線は内向き志向になります。
一方、個人事業主は、その事業が「社会的要請やニーズ」と直接向き合います。
社会が求めているものは何か?多くの人に役立つものは何か?
と言った直接の社会ニーズに応えていく必要があるため、社会と直接向き合うことになるわけです。
会社員の方の定年後を難しくする要因は、社会と間接につながる期間が長くなってしまい、いざ定年を迎えてもうまく立ち回れない方が多い傾向にあります。
しかし、個人事業主の方やフリーランスの方は、社会と直接つながるので定年年齢に達しても変わらず社会とのつながりをもち、いきいき生活できるのだと思います。
会社員が定年後に社会との繋がりをもつためには、どうしたら良いのか?
40代後半ぐらいから社会と直接つながる準備を少しずつ始めることが大切です。
「定年後 50歳からの生き方、終わり方」を読むべき人
・定年後の暮らしをイメージができない人
・定年後に向けて正しい準備をしたい人
・老後をイキイキする方法を知りたい方
・会社員からキャリアチェンジして定年後も活躍している人を知りたい方
まとめ
私もミドル世代で少しずつ定年後の暮らしはどのようになるのか?
疑問を抱くことがありました。
著書を通して、会社員として定年を迎えた際の現状を深く知る事ができました。
多くの方がすぐにイメージができない定年後の生活・・・
本書を読んで定年後の課題と現状を認識して、事前の準備をし
多くの方にイキイキ暮らすきっかを与えてくれる本だと思います。